その後、時代が進むに連れて道具としての機械が発達し、まず産業用のロボットが登場し、
自動車工場などで活躍するようになりました。人間にはできないスピードで、
正確に部品を組み立て、長時間働くことが出来る産業用のロボットは、
産業界ではなくてはならない存在となったのでした。
そして、ロボット技術が発達し労働者の代わりとしてだけではなく、
さらに人々は、ロボットに対し、より親しみを感じるような存在意義を
求めるようになったのです。
そして大手の企業などが、ロボット開発に参加するようになりました。
まず、2000年に登場した人間の姿に似せた二足歩行型のHONDAのASIMOの登場は、
当時の人々にとっては、大きな衝撃だったのではないでしょうか。
これは、世界中のロボット研究者達も注目するほどでした。
ASIMOの歩く姿は、まるで中に人が入っているのではないかと噂されるほど、
人間の動きにそっくりでした。このAISIMOの登場で、SF映画の世界のロボットが
現実世界になったと感じた人も多かったと思います。
しかし、ASIMOは一般の人達には、まだ手の届かない遠い存在でした。
ちょうど同じ時期に1999年にSONYからはAIBOが登場したのでした。
このAIBOの登場は、ASIMOとは違った大きな影響を人々に与えることとなったのでした。
工場で働く労働者ではなく、そして自分たちの技術力を高める
ための存在でもなく、人間の暮らしに入り、家族として一緒に暮らすことができる
大切なパートナーとしての初めてのロボットが生まれたからなのです。
現代では、AIの技術も高くなり、ロボットは様々な役割をするようになってきています。
工場で働く労働者としてのロボットはもちろんのこと、エンターテイメントとして
人々を楽しませるロボットや、患者の心の支えになるロボットセラピーや、
体の不自由な方のサポートをするロボット等、幅広く活躍するようになってきています。
今ではロボットは、私たちの暮らしになくてはならない存在となってきているのです。
そしてこれからの未来は、AIの進歩でロボットは、もしかしたら自我のようなものが
できてくるかもしれません。その時は、私たち人間はどのようにロボットとうまく
共存していくか大きな課題となってくるかもしれませんね。
ロボットが登場して以来、ロボットは主にSF映画や小説等で描かれるようになっていました。
この頃は、ロボットはまだ空想の中でしか描かれなかった存在でした。
しかし、多くの作品にロボットが登場するようになり、
悪者のイメージだったロボットが、友達や家族、ライバル的な存在とさまざまな
立場で描かれるようになり、ただ怖いだけのイメージを持たれていたロボットが、
私達に多くの喜びや感動を与えてくれる存在となってきたのでした。
そして、ロボットが人々にとってより身近な存在となり始めた頃、
SF作家のアイザックアシモフは「ロボット工学の三原則」を
1950年に執筆した<われはロボット>の扉に発表したのでした。
以下、ご紹介します。
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、
人間に危害を加えてはならない。
第二条:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。
ただし与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条:ロボットは、第一条と第二条に反する恐れが無い限り、自己を守らなければならない。
アイザックアシモフがこの「ロボット工学の三原則」を作ったのには理由があり、
これからの未来、ロボットと人間が共存する時代が来るであろうと考えた彼は、
ロボットは、人の手によって作られたフランケンシュタインのように
人間に危害を加えるような存在になってはならない。
その為には、ロボットに何らかの制限を作らなければならない。
そして彼は、ロボットと人間が上手に共存できるルールが必要と考えたのでした。
この後、この「ロボット工学の三原則」は、SF映画や物語等に登場するロボットや、
現実世界のロボットの開発や研究に大きな影響をあたえるのでした。
皆さんが始めてロボットを知ったのはいつ頃でしょうか。
やはり子供の頃に観た、映画や漫画やアニメ等に登場するロボットでしょうか。
現在では、ロボットという存在は誰も知っているものですが、人によっては、
友達のような存在と感じる人もいれば、怖い存在と感じる人もいるようです。
ロボットの歴史はとても古く1927年に上映されたSF映画に女性型のロボットが
登場したのが最初だと言われています。
この頃はまだロボットという言葉はなく、ロボットという言葉が出てきたのは、
1929年頃に劇中で登場した人造人間をロボットと呼んだ事が始まりだそうです。
一説には、ロボットという言葉は、チェコ語の「ROBOTA(ロボタ)」が語源ともいわれ、
それは、「強制労働」という意味で、休むことなく働き続けることが出来る
機械達=「強制労働」というイメージが人々に定着してしまい、
ロボットと呼ばれるようになったそうです
そのため電化製品すべてをロボットと呼ぶ時代もあったようです。
当時のロボットのイメージは、人々にとってはあまり良いものではなかったようです。
この時代あたりから、社会はいろいろな所で機械化が進み、生活が便利になっていく一方、
人間は自らが作った人工的で無機質な機械や 特に高度な能力を持つロボットに対し、
得体の知れない存在と感じ、恐れすら抱いていたのかもしれません。
その為、映画等に登場する初期のロボットは、悪の支配者の手先となり、
人間を管理、支配する悪者として表現されることが多かったことからも
そのことが伺えます。
今と違ってロボットは残念ながら人間の敵といったイメージが定着していたようです。
安曇野サービスセンターのいたずら3人組。
ポートスくん達に悪役のイメージで演じてもらいました。